深作健太監督のデビュー作

バトル・ロワイアルⅡが全ての原点

深作健太監督について語るとするなら、やはり『/バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌』を取り上げないと始まりません。前作からの続編として制作されたこちらの作品は、本来であれば同じ映画監督で父である『深作欣二』さんによって製作されるはずでしたが、正式に発表されてから前立腺がんが脊髄へと転移し、その後亡くなってしまいます。しばらくは監督を代行するはずだったが、深作健太さんにその後すべての製作手動が委ねられたので、実質的に監督としてのデビュー作品となった。

本来監督をするはずだった父親亡き後だったこともあり、また当時話題を振りまいていた作品だけあって、デビュー作としては申し分ないほどに脚光を浴びたのも事実。ここまで見れば栄転のように見えなくもないですが、作品の出来などを考えてみると何か物足りないようなそんな気もしない作品となってしまった点が否めません。

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続編という割には

バトル・ロワイアルⅡは前作バトル・ロワイアルからの続編となっている。ただこのⅡに関しては原作そのものが存在しておらず、全くのオリジナル続編となっているためがっかりした、というような意見を度々耳にしていたものだ。それだけ前作が大ヒットし、話題性抜群だったことを意味しての続編なのかもしれませんが、やり過ぎ感が露骨に強調された作品となっている。

実際に映画館で見た人もいるでしょう、きちんとした原作がない分だけどういった展開になるかと興味津々だったのかもしれませんが、そもそもバトル・ロワイアルなどという作品ではなかったのではないかという意見が集中する結果になってしまった。批判めいた内容になっているのも、内容が些か問題があったからだ。

前作と何が違ったのか

バトル・ロワイアルとは中学三年生と指定される、とある国の15歳になった子供を対象として行われるプログラムだ。無作為に選ばれた1クラス対象として毎年開催されており、その内容はクラスメイトたちを殺して、最後の一人になるまで続けるというもの。自分が生き残るため、非情になって殺すか、殺せないからといって仲間と共闘するか、開催期間中はゲーム離脱や逃亡といったこと以外であれば反則が存在しない。

前作はそのような極限状態に置かれて少年たちがどのような行動をとるのか、そうした心理描写が話題をさらったもののこちらのⅡに関してはそもそも設定が根本的に違っている。

バトル・ロワイアル バトル・ロワイアルⅡ
殺人 無差別 戦争形式
ルール 何でもあり テロリスト殺害
武器 ランダム支給 小型小銃と防具一式
終了条件 一人になるまで テロリストを殺害したら

見てもらえば分かるように、ルールから武器、そして勝利条件までが異なっているのです。

これでは前作を見たファンから批判が飛んできてしまうのも無理ないでしょう、なにせリアルタイムで見に行った筆者もどうしてこんなおかしなことになっているのか、理解出来なかったからだ。

勿論楽しもうと思えば楽しめる作品と言えるでしょう、ですが前作から続いているという感覚はかなぐり捨てて見るべきかもしれません。そうでないとストーリーが最初から矛盾だらけで、これはもうバトル・ロワイアルとはいえないだろう、その一言しかなかったからだ。

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当初からそうだったのか

そんな気になる続編の展開だが、どうやら最初からこうした内容にする気だったのかもしれません。戦争形式のテロリスト殺害を表向きの目的に挙げている点や、ゲーム内で定められている前回までの大会を参考にしたルールを採用しているなど、不可解な点がいくつもあるからだ。それらは後に発売されたノベライズによって明かされているものの、実は原作者ではない小説家によって執筆されています。ここでも謎しか出てこないが、諸事情があるのかもしれません。

もしこの作品を深作欣二さんが担当していた場合、どんな内容になっていたのかが気になるところ。息子である健太さんにとっては父の遺した作品の後を継ぐという形になってしまったが、業界デビューをする意味では申し分ない出だしだったでしょう。そういう意味では親の七光り的な要素はあるものの、深作健太という監督らしい作品になったことだけは間違いありません。前作と比べると、やはり内容や細かい部分で父親とは違っているように感じるからだ。今となってはある種の名作になっており、中学生という多感な年齢の子供が理不尽なゲームに巻き込まれる作品として、先駆的な立ち位置になったといえるでしょう。

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