ゲームのイベントCG監督として

実質の遺作、クロックタワー3

そんな深作欣二監督が作ろうとしていたバトル・ロワイアルⅡ、この作品も作ろうとしていたが病に倒れてこの世を去ってしまいます。そのためバトル・ロワイアルⅡは深作欣二作品ではなく、深作健太作品として数えるべきものになった。では前作が実質の遺作なのかというと、この後に実はもう一つ作品製作に関わっているものがあったのです。意外かもしれませんが、何とゲームのイベントCG監督として協力しており、製作から作品終了まできちんと立ち会った作品があるのだ。

その作品とはホラー作品としてレトロゲームの中でも際立った作品として知られる『クロックタワー3』だ。細かい設定などにまで手を加えていませんが、時折感じさせるイベントCGがムービーとして流れるのを見た時は、何処か深作欣二という名前がよぎったものです。クロックタワーシリーズはそれまでにも既に一時代を築いた名作として知られていたので、ブランドを押し上げるという意味では監督の名前がやはり暴力描写に関しては右に出るものはいない、そう感じた人もいたと思います。

オススメの深作作品

衝撃を受けた人がほとんど

クロックタワーシリーズはカプコンにとっての人気シリーズとして有名だったが、最新作にまさかの深作欣二なる映画界の重鎮が製作の1人に加わると言われて、驚きを隠せなかったファンもいたはずだ。ただ実際深作監督自身も、ゲームの製作は生涯担当したことがなかったためにまずはゲームになれるところから始めなければならない、という点からあったそうです。思い切った起用といえますが、それだけ作品のクオリティをより高いものにしたかった証拠でしょう。

ただ深作監督の作品作りについては現場の人間ならではの苦労も合ったようです。その1つが、妥協しないことと納期という点だ。

こだわったからこそ

深作監督が自身の作品に対して一切の妥協を許さず、例え脇役だろうと何だろうと演技指導はきちんと細かく指示し、それをすることで素晴らしい作品が出来上がると信念に持っている人だ。それはそれでいいでしょう、しかしゲームとなったらそうした点を優先するのもいいが、何より納期という部分を意識しなければならない。ゲームを発売するのと映画を作るのとでは全く勝手が違います、だからといって超大物に意見することなど現場の人間が出来るわけもなく、深作監督のそうしたこだわりには困惑を隠せなかったようだ。

ただそうした経緯で出来上がっただけあって、前作のポリゴングラフィックだった作品とは打って変わって臨場感溢れる、危機迫る恐怖を肌で感じられる演出になっている。遺作となってしまったが、監督がもう一つ新たな可能性を見出したとも言える作品になったのではないだろうか。

もし存命であったなら

深作欣二監督が亡くなったのは72歳、もし10年と言わずとも数年の間まだ存命であったなら映画だけでなく、他のゲームについても製作していたのではないか、なんて想像をしてしまいます。カプコンにしても、オファーは出したがまさか本当に監督として立ち会ってくれるとは思いもよらなかったのではないか。そもそも畑が違う業界、メディアを媒体にしているからといっても、そもそもの経験やネームブランドが違いすぎている。

カプコンも既に名のある企業だったが、深作監督自身と比べるとも見劣りするでしょう。一個人と企業を比べて個人が勝利する、なんてことが異常かもしれませんが深作監督だからこそ可能ではないでしょうか。それだけ異例だったと個人的に思うからこそ、このクロックタワー3は注目を集めていたのです。

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肝心の人気について

有名すぎる映画監督の起用でヒットしたかというと、実を言えば往年のファンにしたらがっかりとしか言いようのない評価が結構聞こえてくる。どうしてかというと、それまでのシリーズとはまるで異なる展開を見せているせいだ。無印と2、それぞれは共通したゲーム性になっていますが、3の場合は似ているところはあるにしても、何と主人公が健気にも戦うというシステムが追加されているからだ。これにはどうしてそんな風にする必要があったのか、なんて苦情もあるのでやはりそういう部分ではゲームファンの怒りを買ってしまったのかもしれません。

深作欣二という監督は有名ですが、必ずしもゲームの世界でも高い評価とともに人気を獲得できたわけではないようだ。ただイベントCGムービーの恐怖感に関して言えば、歴代作と肩を並べるだけの恐怖は十二分にあります。

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